時計台広場

博物館について学ぶ

Vol.3

博物館照明とLED

2015.05.01

 ノーベル賞受賞で話題になったLED照明は、いまや私たちの生活に欠かすことができないものとなっています。近年、このLED照明が博物館でも主流になりつつあります。従来使用されてきた蛍光灯の光には、展示物に有害な紫外線や赤外線が含まれています。紫外線は資料の褪色、変質、虫の誘引の原因となり、赤外線は発熱による温度変化や資料のひび割れが心配されます。

 そもそも光には色々な波長の電磁波が含まれており、波長によって色が異なります。太陽の光も虹を例にとってみれば、紫、藍、青、緑、黄、橙、赤の順に色が並んでいます。これは太陽光に含まれる電磁波の波長の短いものから長いものに並べた配色です。そして、人間の目で見ることのできる光の範囲(可視光線)は虹と同じく紫から赤色の波長の光なのです。問題となっている紫外線と赤外線は可視光線の外側、波長が紫よりも短い、あるいは赤よりも長い目には見えない光です。太陽光だけでなく、展示室で使用する照明にももちろん色々な波長の電磁波が含まれています。このことは光に含まれるさまざまな電磁波を虹のように波長ごとに分割し、各波長の光がどの程度含まれているか(分光分布)を調べればわかります。大学博物館で使用しているLED照明の紫外線量は0、つまり全く出ていません。一方、赤外線は微量に含まれていますが、照明器具の発熱に関しては、LED照明は消費電力が少なく、放射される赤外線量が極わずかであるため、光が熱を帯びることはありません。したがってLED照明を使用すれば照明によって資料を傷める危険性がずいぶんと少なくなるのです。

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